Monday, November 09, 2020 9:13 AM

差別是正へ「小さな勝利」 深まる分断、先行き不安も

 再選を阻まれたトランプ大統領は任期中、人種・女性差別発言を繰り返し、都合の悪い報道を「フェイクニュース」と攻撃してきた。国民融和を掲げるバイデン氏が大統領選を制したが、分断が深まる米国の先行きは見通せない。社会に根強く残る差別問題などに取り組む日本の市民らは「小さな勝利だ」と是正に期待する一方、不安も口にした。

 「トランプ氏は人種差別や白人至上主義を助長する象徴的な存在だったが、何とか小さな勝利を挙げた」。日本で人種差別反対デモを主催した市民団体「BLACK LIVES MATTER TOKYO」の須永茉奈美さんは安堵した。

 米国では5月以降、黒人差別に抗議する「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大事だ)」運動が広がり、トランプ氏は運動を「憎悪の象徴」と批判。須永さんは、大統領選の大接戦は米国社会の人種差別の根深さを示しており、トランプ氏が退陣しても解決にはまだ遠いと考えている。「米国ほどではないにせよ、日本でも就職などで人種差別がある。現状を伝え続け、変化につなげたい」(共同)