Tuesday, November 10, 2020 9:27 AM

エチオピア紛争、混迷 平和賞首相、戦闘を宣言

 アフリカ東部エチオピアで紛争が起き、事態が混迷している。昨年ノーベル平和賞を受賞したアビー首相は、北部ティグレ州を支配するティグレ人民解放戦線(TPLF)への戦闘を宣言した。国内に約80の民族を抱え、アビー氏が進めた民主化で民族運動が活発化。「国家分裂」で難民が周辺国に逃れ地域が不安定化する恐れが出てきた。

 「TPLFは一線を越えた」。政府軍が先制攻撃されたと主張するアビー氏は4日、報復を表明した。TPLFを「強欲」と非難して強硬姿勢を崩さず、戦闘が激化。双方の兵士がそれぞれ数百人死亡したもようだ。

 2018年に首相に就いたアビー氏は、約20年前の国境紛争で外交が途絶えたエリトリアと和解し、平和賞に輝いた。昨年12月の受賞演説で、国境紛争に従軍した体験を明かし「空爆で部隊が壊滅した。戦争は地獄だ」と平和の尊さを訴えた。(共同)