Tuesday, November 10, 2020 9:29 AM

新幹線初の自動運転試験へ E7系で来年秋実施

 JR東日本の深沢祐二社長は10日の定例記者会見で、北陸新幹線や上越新幹線で使われているE7系車両による自動運転の試験を来年10〜11月ごろに複数回実施すると発表した。新幹線での自動運転の試験は、営業用車両では初めて。深沢社長は「将来は新幹線を無人で運転することが目標だ」と述べ、実現に必要な技術の蓄積と検証を目指す考えを明らかにした。

 JR東によると、最新型のE7系1編成12両を使用。上越新幹線の新潟駅から新潟新幹線車両センター間の新潟市内の約5キロを試験走行する。自動列車運転装置(ATO)を取り付け、仮設の指令室から遠隔で発車や停車をさせるほか、事前に設定したプログラム通りに加減速するかどうかを確かめる。運転士は乗るが、緊急時以外は列車を運転しない。実用化の目標時期は決まっておらず、他のJR各社の新幹線に広がるかどうかも不明だ。

 敷地内などの限られた場所で第5世代(5G)移動通信システムを展開する「ローカル5G」の性能テストも併せて実施予定。列車に搭載したカメラから高画質な映像を送信する試験で、将来の鉄道運行に役立てる可能性を探る。(共同)