Tuesday, November 10, 2020 9:30 AM

日銀、地銀再編へ資金支援 当座預金に上乗せ金利

 日銀は10日、新型コロナウイルスで業績が悪化する地方銀行の再編を後押しする新制度を創設すると発表した。2020〜22年度までの3年間の時限措置。経営統合を決めた銀行などに、日銀に預けている当座預金の残高に年0.1%の上乗せ金利を支払い、事実上の補助金を出す。地銀再編を進める菅政権との共同歩調を鮮明にした。

 日銀が地銀の経営強化支援策を設けるのは初めてで、主要中央銀行でも異例だ。経営統合しなくても、日銀が定めた収益力強化の基準を達成すれば支援の対象とする。各地で幅広い取引先を持つ地銀に対し、マイナス金利政策の影響を和らげ、資金供給や企業支援の余力を付けさせることで地域経済の活性化を図る。

 当座預金は地銀を含む金融機関が日銀に預けている資金。金融機関は残高に応じて最大年0.1%の利子を受け取ることができるが、一部にマイナス0.1%の金利も適用され日銀に徴収されている。新制度の適用を受ければマイナス金利分を支払う必要がなくなる上、受け取る利子が増え経営への恩恵は大きい。事実上マイナス金利政策の軌道修正と言える。(共同)