Monday, November 16, 2020 9:20 AM

「対中包囲網」形成を警戒 中国、バイデン氏政策注視

 【北京共同】米大統領選で勝利を確実にした民主党のバイデン前副大統領の対中政策を、中国の専門家らが注視している。習近平指導部が欧州や同盟国との「対中包囲網」形成を警戒しているとの分析も。新型コロナウイルス対策や気候変動、北朝鮮問題で協力の余地はあるが、対中圧力は続くとの見方が主流だ。

 「中国はバイデン氏の勝利に、ほっとしたと思う」。国際政治学者の林泉忠氏は指摘する。トランプ大統領に比べ「予測可能」であり、バイデン氏が「最大の脅威はロシア」と述べた点にも注目した。だが民主党政権も「中国台頭への不信感」は強く「民主主義や人権、開かれた市場といった自由世界の価値外交を一層進めるだろう」と指摘する。

 林氏は、新政権が欧州や同盟国と関係を修復して「より強い対中包囲網」をつくることを習指導部が警戒しているとみる。台湾との関係強化は民主党も支持しており、バイデン氏も引き継ぐかさらに推進すると予想。中国の軍事行動が増え、台湾海峡の緊張が高まる恐れもあると分析した。