Tuesday, November 17, 2020 9:18 AM

サウジ皇太子、続く逆風 G20で「威信回復ならず」

 【カイロ共同】サウジアラビアが21〜22日の20カ国・地域首脳会議(G20サミット)でアラブ諸国初の議長に臨む。多国間会合の仕切り役を務め、2018年の記者殺害事件で傷ついた事実上の最高権力者ムハンマド皇太子の威信回復を目指したが、新型コロナウイルスの影響でテレビ会議に変更を余儀なくされ、当てが外れた。米国の政権交代で蜜月関係にも変化が予想され、皇太子への逆風が続く。

 サウジは財務相や外相らのG20会合をテレビ会議に切り替えながら、サミットについては皇太子が世界の首脳と肩を並べる好機と捉え「対面開催の可能性を直前まで模索していた」(在リヤド外交筋)。議長は父のサルマン国王だが、皇太子が実質的な準備を率いた。

 皇太子の関与が指摘されたサウジ人記者カショギ氏の殺害事件は、9月に実行犯とみられる5人の死刑を減刑する「最終判決」でサミット前の幕引きを図った。国際的に批判されるむち打ち刑を廃止し、外国人労働者の待遇改善にも着手した。