Tuesday, November 17, 2020 9:21 AM

部隊訓練円滑化で大枠合意 日豪首脳、安保協力強化

 菅義偉首相は17日、オーストラリアのモリソン首相と官邸で会談した。西太平洋などへの軍事的拡大を続ける中国を念頭に、安全保障協力の強化で一致。会談後の共同記者発表で、自衛隊とオーストラリア軍の共同訓練などに関する「円滑化協定(RAA)」締結で大枠合意したと明らかにした。両首脳は共同声明を発表し、南シナ海情勢について「緊張を高める威圧的な試みに強い反対を再確認し、軍事化や弾道ミサイル発射を含む深刻な事案への懸念を共有した」と強調した。

 日本の首相と外国首脳による国内での会談は、新型コロナウイルスの世界的流行の影響で今年2月を最後に途絶えており、9月に就任した菅首相にとっては初めて。首相が就任して最初に電話会談した相手もモリソン氏だった。

 日本はオーストラリアを「準同盟国」と位置付け、RAAによって共同訓練で相手国に滞在する隊員の刑事裁判権などを定めて部隊の往来を円滑にし、防衛協力を強化する狙い。締結すれば同国が初めて。米国との間では、日本に駐留する米軍人らの法的地位や基地の管理・運用を定めた日米地位協定がある。(共同)