Thursday, November 19, 2020 9:18 AM

経済立て直しに先行き不安 米議会対立で対策難航

 【ワシントン共同】大統領選で勝利を確実にしたバイデン前副大統領が取り組む主要課題の一つが、新型コロナウイルスで悪化した米経済の立て直しだ。ただ選挙後に先送りされたコロナ追加対策の実施のめどは立たず、障害となった上下両院の多数派が異なる「ねじれ議会」も解消できるかどうか分からない。公約に掲げた増税による歳出拡大などの政策実現にも不透明感が漂う。

 直近の焦点はコロナの追加経済対策だ。米政府は3兆ドル(約310兆円)近くに上る家計や企業支援策を講じてきた。回復を加速させるため2兆2000億ドルの追加策を求める民主党に対し、共和党は財政悪化を懸念する。共和党上院トップのマコネル院内総務は選挙後も小規模な支援が妥当との姿勢を堅持。実施しても内容を絞り込む小幅の対策となる可能性がある。

 バイデン氏の経済政策も議会多数派に大きく左右される。大統領には予算案や法案の提出権がなく、議会との調整が不可欠となるためだ。大統領選と同時実施の連邦議会選で民主党は下院の過半数を維持したが、上院は共和党が健闘。多数派争いの決着は来年1月にずれ込み、民主党の奪還は難しいとの見方が多い。