Wednesday, November 25, 2020 7:53 AM

キューバ二重通貨幕引きへ 決済簡素化、健全化狙う

 【サンパウロ、ハバナ共同】社会主義国キューバが二重通貨制を近く廃止する見込みだ。1994年から国民向けに流通するペソと外国人向けの観光業などで使われる兌換ペソが併存していたが、ペソに統合する。貿易決済の簡素化による輸出促進や経済の健全化につなげる狙い。

 兌換ペソは米ドルと等価に固定され、国民向けペソの価値はその約25分の1だった。今後、政府はペソを大幅に切り下げるとみられ、物価の急上昇が懸念される。海外からの送金に頼れない貧困層や年金受給者の生活を直撃する恐れがある。

 兌換ペソが廃止され、無価値になることを恐れてのパニックを招かないよう、国民には兌換ペソを交換できる期間が最低半年は設けられる。