Wednesday, November 25, 2020 7:54 AM

ブータンが中国に懸念伝達 「領内に道路や集落建設」

 【ニューデリー共同】ヒマラヤ山脈の小国ブータンが、領内に中国が道路や集落を建設したとして、中国側に懸念を伝達していたことが25日分かった。ブータンと緊密な関係を持つインドの軍幹部が明らかにした。現場は3国の国境地帯で、インド軍幹部は共同通信の取材に対し「われわれの軍事的利益に関わる場所であり、状況を注視している」と語っている。

 同幹部によると、問題提起は今月、インドの首都ニューデリーで外交当局者間の接触があった際になされた。中国とブータンには国交がない。中国外務省は自国領内での建設とし「情報は事実ではない。非難の余地はない」と主張している。

 現場は、中国による道路建設に対するブータンの非難を発端に2017年、中国軍とインド軍がにらみ合った場所に近い。ブータンと中国の対立が深まれば、北部の係争地域で軍事的緊張が続くインドと中国の一層の関係冷却化につながりかねない。