Monday, November 30, 2020 9:23 AM

東証社長、引責辞任 大規模障害で一斉処分

 日本取引所グループ(JPX)傘下の東京証券取引所で10月に発生したシステム障害を巡り、JPXは30日、東証の宮原幸一郎社長(63)の同日付での辞任を発表した。前例のない株式全銘柄の終日売買停止を招いた責任を取る。JPX幹部らも一斉に減給処分とした。金融庁は30日、JPXと東証に対し、金融商品取引法に基づく業務改善命令を出し、再発防止を求めた。

 菅政権は世界から投資や金融機関を誘致する国際金融都市の実現を目標に掲げている。金融庁は世界に向けた日本市場の魅力の発信が必要な時期に、全銘柄の終日売買停止を招いた責任は重いと判断。加藤勝信官房長官は30日の記者会見で「日本のシステムに対する信頼性を高めていくことが非常に重要だ」とした。

 JPXは清田瞭最高経営責任者(CEO)について月額報酬の50%を4カ月間減額としたほか、システム担当の役員も報酬減額の処分とした。宮原氏は現在兼任しているJPX取締役なども30日付で退き、宮原氏の後任の東証社長は清田氏がJPXのCEOと暫定的に兼務する。清田氏は記者会見で改めて陳謝し「再発防止策と市場の信頼回復に全力を尽くす」と述べた。(共同)