Wednesday, December 02, 2020 9:27 AM

科学者暗殺で強硬派に勢い イラン、核開発拡大迫る

 【テヘラン共同】イランの核科学者暗殺事件を受け、同国で反米の保守強硬派が勢いづき、穏健派ロウハニ政権に対し、核開発を大幅に拡大するよう迫っている。バイデン次期政権の核合意復帰と制裁解除に期待するロウハニ政権は合意を壊しかねない強硬策には否定的で、核政策の最終決定権を握る最高指導者ハメネイ師の判断が注目される。

 暗殺への関与を疑われるイスラエルは、米国の核合意復帰に反対し、制裁維持を要求。暗殺でイランを挑発して強硬策に走らせ、米国の核合意復帰を妨害しようとしているとの見方が出ている。

 保守強硬派が圧倒的多数のイラン国会は1日、核合意の制限を破って開発を加速するよう政府に求める法案を賛成多数で可決。国会の決定が憲法に反していないかを審査する護憲評議会が承認すれば、法が発効する。