Monday, December 07, 2020 8:52 AM

「モハマド君」病院で奮闘 16年前の訪日、今も感謝

 【カイロ共同】少年時代にイラク戦争で左目を負傷し、2004〜05年に訪日して治療を受けたイラク人モハマド・ハイサム・サレハさん(26)が、イラクの病院で新型コロナウイルス対策に従事し奮闘している。過激派組織「イスラム国」(IS)と軍の衝突にも巻き込まれたが、日本の記憶を大切にして社会人になった。

 「日本では自宅にいるように温かく迎えてもらった。助けてくれた方々に大きな感謝を伝えたい」。モハマドさんは7日までに、共同通信の電話取材にそう話した。中部ファルージャにある母子病院に勤務し、広報部門でコロナ予防の啓発をしている。

 モハマドさんは9歳だった03年11月、ファルージャの自宅で米軍と地元勢力の戦闘に巻き込まれ負傷。04年にイラクで殺害されたジャーナリスト橋田信介さんがモハマドさんを支援していたことから、妻の幸子さん(67)=静岡県在住=らが遺志を継ぎ日本での治療が実現。静岡県沼津市などに滞在した。