Monday, December 07, 2020 8:54 AM

新型コロナ、初症例1年 武漢初期実態なお不透明

 【北京共同】中国当局が新型コロナウイルスの初症例が出たとする日から8日で1年となる。世界で初めて湖北省武漢で確認されたが、ウイルス発生源や初期患者の分布など不透明な点は多い。中国はワクチン開発に資源を振り向ける一方、流行開始時の実態検証に積極的とは言えない。被害は世界に拡大し、反中感情や責任論もくすぶる。

 中国では、人から人への感染を早期に認めず、医療現場へ圧力を加えたとして一時は当局への非難が強まった。ただ習近平指導部は強制的な移動制限や入国規制、大規模検査で感染を抑え込んだ。「成功」と誇り、批判や異論は抑圧している。

 武漢市衛生健康委員会によると、後から確認した最も早い発症例は昨年12月8日。武漢の医師らによる医学論文は同1日としており、香港紙は内部資料に基づき11月には出ていたと報じた。政府が今年6月に公表した白書には対策を本格化した1月20日以降のデータしかない。