Friday, December 11, 2020 9:55 AM

オバマ人材相次ぎ登用 安全運転も新味欠く

 【ワシントン共同】バイデン次期大統領が閣僚や高官にオバマ前政権時代の人材の登用を相次ぎ表明している。経験や個人的な信頼関係を重視し、政権滑り出しを安全運転で乗り切りたい思惑がうかがえる。10日に公表した5人事のうち、4人が前政権で高官を務めた経歴を持つ。新味に欠ける布陣に「オバマ政権3期目」との指摘が改めて浮上しそうだ。

 「政府の表も裏も知っている」。バイデン氏は10日の声明で、退役軍人長官に指名するマクドノー氏と、ホワイトハウスの国内政策会議(DPC)を統括する内政担当の補佐官に充てるライス氏をこう評価した。前政権で苦楽を共にし、気心の知れたメンバーへの信頼がにじんだ。

 これまでも国務長官、国家安全保障問題担当の大統領補佐官、大統領報道官など主要ポストに前政権で共に働いた旧知の人材の起用を発表。他方、非白人や女性を積極登用すると国民に約束しており、側近重用と多様性の間でバランス維持に腐心するのがバイデン人事の特徴となっている。