Wednesday, January 12, 2022 9:48 AM

バッテリーリソーサーズ、ジョージアに電池再生工場開設へ

 リチウムイオン電池の再生と材料の再利用を手がける新興企業バッテリー・リソーサーズ(Battery Resourcers、マサチューセッツ州)は、4300万ドルを投じてジョージア州コビントンに商業規模のリチウムイオン電池リサイクル工場を開設する。

 同社のプレスリリースによると、工場の敷地面積は15万4000平方フィートで、2022年8月までに全面稼働を予定している。リチウムイオン電池の再生施設としては北米最大規模といい、年間3万トンの使用済み電池や電池生産の端材を処理でき、再生したリチウム、コバルト、ニッケルを電池サプライチェーンに戻すことが可能になる。

 また、工場は50人以上の熟練労働者に雇用機会を提供し、いくつかの電気自動車(EV)製造拠点やリチウムイオン電池の大型工場(ギガファクトリー)の近くに戦略的に配置される。

 コビントン工場の開設は、同社の戦略的拡張の初めの一歩にすぎず、23年には特許取得済みの技術「Hydro-to-cathode(湿式精錬による正極材再生)」を使って正極材用の前駆体および活物質の生産施設を追加する予定。長期的には北米、欧州、アジアに施設を増やし、世界中で年間最大15万トンのリチウムイオン電池材料を処理する計画だ。

 同社によると、Hydro-to-cathodeの再生工程は、材料を新しく採掘、生産するよりコストが59%安く、環境への影響も93%抑えられる。また学術誌ジュール(Joule)に最近論文が掲載された研究では、Hydro-to-cathode技術で再生された正極材はサイクル寿命が新品の正極材より53%長いことが分かっている。