Friday, November 18, 2022 5:57 AM

EVの前部トランク、採用は各社まちまち

 電気自動車(EV)の普及を目指す自動車メーカーは、航続距離や充電速度の改善に取り組む一方で、以前のエンジンルームをどう活用するか模索している。前部トランク(front trunk、略してfrunk)を採用するメーカーもあれば、しないメーカーもある。

 オートモーティブ・ニュースによると、現在米国で売られているEV約30車種のうち、約3分の1で斬新さと実用性を理由に前部トランクが採用されている。「フランク」はEVだからこそ提供できる機能の一つだが、「消費者は歓迎しない」と考えるメーカーもあり、別の3分の1は車室スペースを広げただけにとどまっている。

 フランク推奨派のフォードは、EVモデルのうち2車種に冷蔵庫ほどのスペースを標準で提供し、「(屋外パーティー用などに)海産物やチキンウィング1000個が詰め込める」とうたっている。触れ込み通り、フランクには食料品から出る水分を流せる排水口が付いている。

 これまでフランクのある車がなかった訳ではない。「ポルシェ911」や「シボレー・コルベア」など、後部にエンジンを積んだモデルには後部トランクの代わりに前部トランクがあった。しかし、EVによって初めて前後に空間ができ、いろんな用途で使えることになった。

 フォードの電動ピックアップ・トラック「F150ライトニング」は、業界最大のフランクスペース(最大体積14.1立方フィート、最大積載量400ポンド)を誇る。しかしもっと小さなスポーツタイプのEVでも、旧エンジンルームが大きな荷物も入るスペースになったモデルがある。

 新興EVメーカー、ルシッド・モーターズの「エア」には横置き冷凍庫ほどもある7.1立方フィートのフランクがあり、テスラの「モデルY」にはワイン用冷蔵庫と同じ4.1立方フィートの空間がある。

 一方で、BMWの新型EVである「iX」SUVと「i4」セダンにはフランクがない。メルセデス・ベンツのEVセダン「EQS」にもフランクはなく、車の所有者でさえ簡単にボンネットを開けることができない。