Thursday, January 12, 2023 6:34 AM

仮想発電所の推進でGM、フォード、グーグルなど提携

 ゼネラル・モーターズ(GM)、フォード、グーグル、太陽エネルギー発電会社などが、仮想発電所(VPP)の利用を拡大するための基準確立で協力すると発表した。

 ロイター通信によると、VPP基準確立を目指す組織の名称は「バーチャル・パワー・プラント・パートナーシップ(VP3)」。エネルギー転換に取り組む非営利団体RMIが主宰となり、VPPシステムの利用を促進するための方針づくりも目指すという。 VP3の設立メンバーにはほかにサンパワーやサンランが参加している。

 VPPは、電力供給が不足した際に電力系統(グリッド)の負荷を軽減するシステムで、電気自動車(EV)やスマートサーモスタットで制御された家庭用電気ヒーターなど、何千もの分散型エネルギー資源を蓄積しておく。電力不足の際は、顧客の許可を得た上で高度なソフトウェアを使って対応し、EVの車載電池など各家庭にある電池を充電から放電に切り替えたり、給湯器など大量の電力を使う機器の電力消費削減を促したりする。

 米国では、2022年に成立したインフレ抑制法(IRA)によってEV、電気温水器、ソーラーパネルなど、出力と消費を調整してグリッドの負荷を平準化できる機器に対する税制優遇措置が設置/拡大されており、VPPは爆発的に成長する可能性がある。

 RMIは、30年までにVPPによって米国のピーク需要を60ギガワット(GW)、50年までに200GW以上軽減できると試算している。

 VPPは、ドイツやオーストラリアといった国や、米国内の複数州ですでにグリッドの信頼性を向上させている。カリフォルニア州で卸売市場を運営するカリフォルニア・インディペンデント・システム・オペレーターは、22年8月の猛暑の際、停電を回避するためVPPを含む利用可能なすべての関係者に配電を依頼しており、グーグル・ネストのスマートサーモスタットも負荷軽減に貢献した。