Thursday, June 30, 2016 1:15 PM

ゲノム編集、霊長類に応用 免疫ないサル誕生

 効率的に遺伝子を改変できる「ゲノム編集」の技術を使い、免疫が働かない小型サルのマーモセットを誕生させることに成功したと、慶応大や実験動物中央研究所(川崎市)などのチームが30日付の米科学誌セルステムセルに発表した。マウスよりも人に近い霊長類での成功で、病気の研究が進むと期待される。

 ゲノム編集は遺伝子を切断する酵素を使い、狙った遺伝子を壊したり、別の遺伝子を組み込んだりする技術。チームはマーモセットの受精卵で、免疫に関わる遺伝子を壊し働かないようにした。

 この受精卵から生まれたマーモセットは、血液中のリンパ球が少なく、人の先天性免疫不全症の病状とよく似ていた。免疫が働かず病原体の感染に抵抗力がないが、4匹がクリーンルームの中で1年以上生きているという。(共同)