Wednesday, January 04, 2017 6:24 PM

トランプ次期政権に不確実性 今後のかじ取り波乱含み

 2016年12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録によると、会合参加者はトランプ次期政権の財政政策について「不確実性が増した」との見方を示し、金融政策への影響を測りかねている様子が明らかになった。12月のFOMCでは既定路線通りに利上げしたものの、今後の金融政策のかじ取りは約2週間後に迫ったトランプ政権発足後の金融政策のかじ取りは波乱含みと想定される。

 11月の大統領選でトランプ氏が勝利して以降、投資家の関心は新政権による大型インフラ投資や減税、規制緩和に集中。「トランプ相場」で米国の株価は最高値圏で推移している。トランプ氏の景気対策が実行に移され、狙い通りに年3〜4%の高成長を達成した場合には、物価も上昇の度合いを強め、インフレ率が連邦準備制度理事会(FRB)の目標とする2%を超えて、利上げペースも加速することになる。

 ただ、与党・共和党が多数派を占める議会でも、伝統的に財政出動に慎重な保守派がトランプ氏の財政刺激策に難色を示す可能性もある。財政赤字が想定より早く拡大基調を強めることになれば「緩やかな成長」を続けていた米経済は景気拡大局面の終幕を迎えることもあり得る。(共同)