Friday, January 06, 2017 12:25 PM

駐韓大使、来週一時帰国 政権、少女像で対抗措置

 安倍政権は6日、韓国・釜山の日本総領事館前に慰安婦被害を象徴する少女像が設置されたことを受け、長嶺安政・駐韓大使を一時帰国させる対抗措置を決定した。来週中に帰国させる方針だ。慰安婦問題に関する日韓合意の誠実な履行に反すると判断した。韓国への融和路線を転換し、外交的に強硬策を取る構えだ。慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を申し合わせた2015年末の日韓合意を堅持し、履行を強く求める。

 菅義偉官房長官が記者会見で対抗措置を発表した。少女像設置に触れ「日韓関係に好ましくない影響を与える。領事機関の威厳などを侵害する。極めて遺憾だ」と批判した。政府は12年8月に当時の李明博大統領が島根県・竹島に上陸した後も駐韓大使を一時帰国させている。

 韓国の尹炳世外相は長嶺氏をソウルの外務省に呼び、遺憾の意を伝えた。韓国側の対応を待つ姿勢だった日本側の対抗策を受け、日韓関係が新たな局面に移る可能性も出てきた。(共同)