Tuesday, January 10, 2017 11:21 AM

中国、南シナ海に飛行船 ミサイル早期探知で開発

 中国人民解放軍が南シナ海上空でのミサイル防衛に向け、高層大気圏に飛行船を飛ばしてレーダーなどで「敵」のミサイル発射を探知する新型装備の開発を進めていることが、軍関係の文書で10日までに分かった。配備時期は不明だが、実現すれば中国軍の宇宙開発を絡めた防空能力は大きく高まる。米軍を念頭に置いており、南シナ海を巡る軍事バランスにも影響しそうだ。

 中国筋によると、文書はミサイル攻撃などに対処する早期警戒システム構築に関する中国軍の専門家が執筆。中国軍は宇宙や空からの「脅威」に対処するため、2004年から飛行船や極超音速ミサイル、気球などの開発を続けていることを明らかにした上で、高度18〜24キロの成層圏にレーダーや赤外線センサーを搭載した無人の飛行船(最大で全長約230メートル)を配備することで、ミサイル発射を早期に探知できると指摘。技術的にも成熟し、実用性の高い飛行船が既に8種類あるとしている。

 中国は南シナ海で、実効支配する西沙(英語名パラセル)諸島の永興(ウッディー)島と南沙(スプラトリー)諸島の渚碧(スービ)礁などに防空レーダーを設置している。2機の飛行船を成層圏に飛ばすことにより、東西1200キロ、南北2000キロの範囲でミサイルなどの早期探知が可能になるという。(共同)