Thursday, January 12, 2017 10:48 AM

退位後は「上皇」検討 秋篠宮さま「皇太子」処遇

 政府が天皇陛下の退位を実現する法整備に関し、退位後の呼称に「上皇」を使う案を検討していることが分かった。新たに皇位継承順位1位となる秋篠宮さまの処遇を「皇太子」と同等にする方向でも調整。退位を一代に限る特別法が成立すれば、陛下の住居など必要な環境整備のため、2018年度予算案に関連費用を盛り込む検討に入った。関係者が12日、明らかにした。

 上皇とする場合、天皇との併存で権威が二元化した歴史を踏まえた対応が必要となる。政府の有識者会議は今後、陛下を退位後も皇族と位置付けるための新たな「身位(身分・地位)」や、公務の在り方とともに、呼称も議論する方針だ。

 有識者会議が昨年11月に意見聴取した専門家からは、歴史的に使われてきた経緯を踏まえ、呼称に上皇を推す意見が複数出た。過去には退位後に権勢を振るった上皇もいたが、有識者は「現行憲法下の象徴天皇と結び付けて論じるのは飛躍がある」と指摘。政府は慎重に検討した上で、特別法に呼称や身位を盛り込む方向で調整している。(共同)