Thursday, January 12, 2017 12:08 PM

今年は3回の利上げが適切 フィラデルフィア連銀総裁

 フィラデルフィア連邦準備銀行のハーカー総裁は12日、ペンシルベニア州モルバーンで開かれた地元商工会議所の年次総会で講演し、米経済の堅調さを理由に「今年は3回の緩やかな利上げが適切だろうとみている」と述べた。

 総裁は2016年7〜9月期の実質国内総生産(GDP)が底堅い消費を背景に年率換算で3.5%増となったことを挙げ「経済は相当な強さをみせている」と指摘。順調な雇用創出が続き、失業率も多くのエコノミストが自然失業率と考える5%を下回る水準で推移していることから、雇用市場は「おおよそ万全な状態にある」と述べた。物価も連邦準備制度理事会(FRB)が目標とする2%上昇を「今年から来年には」達成するだろうと述べた。

 一方、経済の好調さにもかかわらず、労働参加率が伸び悩んでいることに言及。ベビーブーマー世代の多くが引退する時期に差し掛かっていることなど人口構成上の変化が大きな理由だとする一方で、中核的な労働力を構成するはずの25歳から54歳までの男性で労働参加率が低下しており、その経済的、社会的コストは大きいと警戒した。全体としての労働参加率は、今後5年で足元の62.7%から、さらに2ポイント程度低下すると見込んだ。(共同)