Friday, January 13, 2017 10:24 AM

退位へ「特殊事情」明記 陛下の意思、要件とせず

 政府は天皇陛下の退位を巡り、陛下一代限りが対象の特別法に、退位に至る経緯を特殊事情として盛り込む方向で調整に入った。憲法が天皇の意思に基づく行為を想定していないことから、陛下の退位への意思は要件として明記しない方針だ。政府関係者が13日、明らかにした。要件を規定しない代わりに、主権者の代表である国会が状況を総合的に判断し、例外的な対応として退位を認める立法過程を重視する。

 政府は退位の恒久制度化には否定的だ。条文に要件を置かない中で退位を認める形となる法整備が将来、天皇による恣意的な退位や、時の政権による退位の強制につながる余地を残さないようにするため「なぜ退位に至ったか」を明記する異例の形式が浮上した。

 具体的には、高齢により公務が難しくなってきた事情や、昨年8月のビデオメッセージ公表に端を発した一連の経過、陛下のご心痛に多くの国民が共感した状況などを想定している。(共同)