Thursday, January 19, 2017 10:53 AM

芥川賞に山下澄人さん 直木賞は恩田陸さん

 第156回芥川、直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が19日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は山下澄人さん(50)の「しんせかい」(新潮7月号)に、直木賞は恩田陸さん(52)の「蜜蜂と遠雷」(幻冬舎)に決まった。

 記者会見した山下さんは「痛快。うそやろって話だし、友達はびっくりすると思う」と、照れくさそうに語った。恩田さんは「長い時間をかけて書いたこの作品で受賞できて、本当に良かった」と喜びをかみしめた。

 山下さんは神戸市生まれ。高校卒業後、脚本家倉本聡さんの「富良野塾」に入り、現在は劇団「FICTION」主宰。受賞作は、富良野塾での経験を題材に「先生」の下で俳優修業をするスミトを描く自伝的小説。4回目の候補での受賞。

 選考委員の吉田修一さんは「王道の青春小説として面白く読めるが、作者の現在の立ち位置と描かれた世界との距離が離れていて新鮮という声があった」と述べた。(共同)