Thursday, January 19, 2017 4:41 PM

歩く明治天皇をパチリ 水戸徳川邸で44歳の姿

 1896(明治29)年に明治天皇が、現在の東京都墨田区にあった水戸徳川邸を訪れた際に、邸内を歩いている姿を撮影した写真が宮内庁宮内公文書館に保管されていることが20日分かった。明治天皇は撮影を好まなかったとされ、隠し撮りの可能性もあるという。

 当時天皇は44歳。調査した宮内庁書陵部編修課の内藤一成主任研究官によると、明治天皇の写真は、小さく写るものも含めてごくわずかしか確認されていないといい、「明治20〜30年ごろの写真は知られておらず、歩いている自然な姿が写るのも珍しく大変貴重だ」としている。

 当時の水戸徳川家の当主・篤敬は写真好きで、この写真を撮った同家の職員も相当な技術を持っていたとされ、天皇が訪れたことを記念して撮影したとみられる。ただ、同行した侍従長ら関係者の日記には写真撮影をうかがわせる記述がないことなどから、こっそりと撮影した可能性もある。(共同)