Thursday, January 19, 2017 6:22 PM

ビル崩壊、強度不足か イラン、人災の可能性

 イランの首都テヘラン中心部の高層ビルで19日発生した火災は20日、建物の耐火構造や強度が基準に満たないため出火後に崩壊が起き、消火活動中の消防隊員ら20人が死亡する惨事を招いたとの見方が強まっている。現場では救出活動が続き、負傷者は80人以上に増加。司法当局は人災の可能性も視野に捜査に乗り出した。

 現場で活動していた消防隊員サイードさん(45)の証言によると、火元は17階建ての9階付近。当初は弱かった火の勢いは、過去の経験をはるかに上回る速度で強まったという。建物の崩壊も想定外で、地下の空調室で作業中だった多くの同僚が生き埋めとなった。

 ビルは以前から安全面で懸念が指摘されていた。市当局者は「管理者には何度も警告していたが、聞く耳を持とうとしなかった」と強調。出火原因は電気配線のトラブルとみられるが、防火対策などが十分であれば被害拡大は防げたとの見方をにじませた。(共同