Friday, January 20, 2017 10:05 AM

後発薬の特許侵害認めず スイス製薬会社敗訴

 抗がん剤に関する特許を延長したスイスの製薬会社「デビオファーム・インターナショナル・エス・アー」が、東和薬品(大阪)の後発医薬品が特許を侵害するとして、生産の差し止めなどを求めた訴訟の控訴審判決で、知財高裁は20日、「後発医薬品は延長した特許と実質的に同じものとはいえない」と判断し、一審東京地裁に続き、デ社側敗訴を言い渡した。

 延長特許の効力を巡って具体的に争われた訴訟は初めてで、設楽隆一裁判長はまず「後発医薬品に延長特許と異なる部分があっても、わずかな違いにすぎなければ実質同一なものとされ、特許の効力が及ぶ」との基準を示した。

 その上で今回のケースを検討。「特許は、がんに効く有効成分の水溶液に添加剤を含まないことを技術的特徴とするが、後発医薬品には添加物が加えられている」と述べ、わずかな違いではなく延長特許の侵害はないと結論付けた。(共同)