Friday, January 20, 2017 10:06 AM

文科省の組織的天下り認定 監視委、隠蔽工作を指摘

 内閣府の再就職等監視委員会は20日、文部科学省が2015年、吉田大輔元高等教育局長に早稲田大教授への天下りをあっせんし、国家公務員法に違反したと認定する調査報告書を公表した。人事課OBを調整役とする組織的なあっせんの仕組みを設けていたことや、職員が監視委の調査に虚偽報告し、隠蔽工作をしたことも明らかにした。元局長の事案のほかにあっせんが37件あり、うち前川喜平事務次官自身が関わった2件を含め9件は違法と確認した。

 文科省は前川次官ら7人の懲戒処分を発表。前川次官は20日付で辞任し、後任に戸谷一夫文科審議官が就いた。吉田元局長も同日付で早大教授を辞職した。

 安倍晋三首相の指示を踏まえ、全府省庁で違法な天下りがないか調査を進める。監視委は文科省に違法の疑いがある28件を含めて全容を解明し、3月末をめどに報告するよう求めた。(共同)