Tuesday, January 24, 2017 5:50 PM

パイプライン建設を推進 雇用優先、温暖化は軽視

 トランプ大統領は24日、カナダで採掘した原油を米国に運ぶ「キーストーンXLパイプライン」の建設計画を推進する大統領令に署名した。環境破壊や地球温暖化につながるとしてオバマ前大統領が計画を却下していたが、方針を覆したことで温暖化対策に後ろ向きなトランプ氏の姿勢が浮き彫りになった。

 中西部のノースダコタ州からイリノイ州に石油を運ぶ「ダコタ・アクセス・パイプライン」の建設を進めるための大統領令にも署名した。パイプライン建設を進めることで、雇用創出やガソリン価格抑制による景気浮揚につなげる狙いがある。

 計画は共和党や石油業界が推進を求める一方、民主党の支持基盤である環境保護団体が強く反対。党派対立を象徴する政治問題となってきた。安価だが大量の二酸化炭素(CO2)を出す化石燃料に回帰するトランプ氏の姿勢が鮮明になり、反対派の反発は必至だ。(共同)