Wednesday, January 25, 2017 11:38 AM

慰安婦本の筆者に無罪 中傷意図なしと韓国地裁

 旧日本軍の従軍慰安婦問題に関する著書「帝国の慰安婦」で元慰安婦らの名誉を傷つけたとして、韓国検察が名誉毀損罪で在宅起訴した朴裕河・世宗大教授(59)の判決公判で、ソウル東部地裁は25日、中傷する意図は認められないなどとして、無罪(求刑懲役3年)を言い渡した。

 同書は、韓国で定着した「強制連行された少女20万人の性奴隷」との見方は慰安婦の全体像を表していないとの認識から、女性らの貧困や人身売買業者の存在など多様な背景を提示。帝国主義下での女性搾取として日本の責任も指摘した。

 韓国では強制連行だったなどとする見方に対する異論は許されない雰囲気が強いが、裁判長は朴氏が日韓間の和解を目指すとした同書の目的は否定できず「中傷の意図は認められない」と指摘。一部に名誉を毀損しうる表現があるものの、朴氏を告訴した元慰安婦らに向けられたものとは言えないとした。(共同)