Thursday, January 26, 2017 10:13 AM

対馬仏像、日本に返さず 韓国地裁、略奪主張認める

 長崎県対馬市の観音寺から2012年に盗まれ韓国に持ち込まれた仏像について、韓国の大田地裁は26日、仏像を保管する韓国政府に対し、日本に返さず韓国中部瑞山の浮石寺に引き渡すよう命じる判決を言い渡した。元々は数百年前に日本の倭寇に略奪されたものだとして所有権を主張する浮石寺の請求を認めた。

 仏像は長崎県指定有形文化財の「観世音菩薩坐像」。現在は大田の国立文化財研究所が保管しており、盗み出した韓国人の実行犯には既に韓国で刑事罰が下されている。判決は窃盗行為を正当化することにもなりかねず、観音寺をはじめ日本側は反発。日韓関係に悪影響が出る可能性がある。

 韓国政府は26日、判決を不服として控訴した。政府は昨年の弁論準備手続きで「浮石寺が所有者だとの証拠が不足している」と指摘していた。(共同)