Thursday, January 26, 2017 10:14 AM

録音・録画で作文調書発覚 長崎県警、自白強要も

 長崎県大村市で昨年1月に起きた母親傷害致死事件の捜査で、長崎県警が逮捕した男性(53)に自白を強要したり、否定した内容を一方的に調書に記載したりするなど違法性が疑われる取り調べをしていたことが26日、分かった。男性の訴えに基づき、長崎地検が取り調べの様子を録音・録画した映像を確認して発覚。地検は、県警の捜査幹部に適正化を要請し、取調官は担当から外れた。

 取り調べの録音・録画(可視化)が違法捜査の歯止めになった形。裁判員裁判事件など対象を限定して義務付けられる可視化の運用拡大を求める議論に影響しそうだ。

 問題発覚後、地検は弁護人にも事情を説明。その後の取り調べは検事が担当し、県警作成の供述調書は裁判の証拠として利用しないなどの対策を取った。公判で弁護側が違法性を追及することはなく、男性は昨年5月に執行猶予付き有罪判決を受け、刑が確定した。(共同)