Friday, January 27, 2017 4:55 PM

脱北女性送還へ協力要請 北朝鮮、国連総長に書簡

 北朝鮮の慈成男国連大使は27日、北朝鮮脱出住民(脱北者)として韓国政府が「国民」と認定した金蓮希さんについて、本人が希望する北朝鮮への即時送還を実現するため国連に協力を求める書簡をグテレス国連事務総長に提出した。共同通信が書簡を入手した。

 北朝鮮国連代表部の李成哲参事官は取材に「人権問題に力を入れるグテレス氏がわれわれの要請に応じてくれると期待している」と述べた。事務総長は今月、韓国出身の潘基文氏からポルトガル出身のグテレス氏に交代したばかりで、これを機に国連への働き掛けを強める狙いがあるとみられる。

 金さんは北朝鮮政府から旅券を受けて2011年に中国へ出国した後、持病の治療費を稼ぐためブローカーを通じて韓国入りした。金さんによると、ブローカーに旅券を取り上げられて出国できなくなり、韓国政府に送還を求めているが、当局は「送還する法的制度はない」として応じていないという。韓国政府は金さんを送還すれば、北朝鮮当局が自国の宣伝に利用すると警戒しているとみられる。(共同)