Tuesday, January 31, 2017 9:50 AM

英首相に批判噴出 トランプ氏対応で

 イスラム圏7カ国からの入国禁止を命じたトランプ大統領への対応を巡り、英国でメイ首相に対する批判が噴出している。先の訪米でトランプ氏と確認した両国の「特別な関係」に配慮し、入国禁止措置を速やかに批判せず、トランプ氏の英公式訪問招待も撤回しない方針を示したためだ。メイ氏は対米関係強化と民意の間でジレンマを抱えている。

 30日夜、ロンドンの首相官邸前でのデモ。「メイは(米の)ご機嫌取り」と書かれたプラカードを持った参加者らが「恥を知れ、メイ」と声を上げた。国民の怒りは、民主主義や自由を米国と共に掲げてきた英国が「差別的」とも受け取れる政策にすぐ異論を唱えなかったことにある。

 欧州連合(EU)離脱交渉入りを控え、何とか米国との経済関係を強化したいメイ氏は28日の会見で「米国の難民政策は米国の責任」だと述べて入国禁止を批判せず、米国に面と向かって異論を唱えたカナダなどとの違いが鮮明になった。最終的に首相報道官やジョンソン外相は「同意できない」「間違っている」などと発言したが、世界中で批判と抗議が高まった後だった。(共同)