Wednesday, February 01, 2017 11:26 AM

「円安誘導」と日本非難 トランプ氏、日銀緩和標的

 トランプ大統領は1月31日(米国時間)、米製薬会社との会合で「ここ数年、日本がやってきたことを見てみろ。通貨の切り下げだ」と述べ、円安に誘導していると批判した。円安の背景にある「資金供給」をやり玉に挙げ、市場に大量のお金を供給する日銀の金融緩和を標的にした。安倍晋三首相は2月1日の衆院予算委員会で「批判は当たらない」と応酬し、10日の日米首脳会談で説明する意向を示した。

 大統領が主要国の為替政策を批判するのは極めて異例だ。トランプ氏は巨額の貿易赤字を問題視し、日本と中国の為替政策を安値誘導と決めつけ、ドイツについては米国家通商会議(NTC)のナバロ委員長が「(ユーロが)ひどく過小評価されている」と批判。貿易赤字削減へドル高を是正していく姿勢を鮮明にした。

 外国為替市場ではトランプ氏の円安批判への警戒感から円相場は一時、1ドル=112円近辺まで急騰したが、その後は発言前とほぼ同じ水準まで戻り、影響は限定的だった。(共同)