Wednesday, February 01, 2017 5:07 PM

米、追加利上げ見送り FOMC、景況感改善に言及

 米連邦準備制度理事会(FRB)は、1日の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げの見送りを決めた。政策金利のフェデラルファンド(FF)レートの誘導目標は0.50〜0.75%に据え置いた。FOMC後に公表した声明では、米経済は緩やかに拡大を続けていると指摘。消費者や企業の景況感が最近になって「上向いてきた」と楽観的な表現も盛り込まれた。政策決定は全会一致だった。

 FOMC参加者は「経済成長を維持するため、緩やかなペースでの追加利上げが妥当」との意見でほぼ一致しており、今回の声明でも「緩和的な金融政策を維持することは、さらなる雇用の引き締まりと物価上昇率の目標2%に近づけることを支援する」とした。

 今回はトランプ政権が発足して初めてのFOMC。環太平洋連携協定(TPP)離脱や北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉など、保護主義的な大統領令が相次いで出され、国際貿易への打撃が懸念される一方、景気刺激策として掲げる大規模なインフラ投資や大型減税、規制緩和に関しては具体的な道筋が明らかになっていない。FRBは米経済の今後を左右するこれらの政策とその影響を慎重に見極めていく方針だ。(共同)