Friday, February 03, 2017 10:22 AM

対米同盟冷え込みに懸念 豪「トランプ氏から屈辱」

 トランプ大統領が密航者受け入れを巡り、オーストラリアのターンブル首相に電話会談で厳しい態度を取ったことが明らかになり、オーストラリア地元紙は3日「とても同盟国の扱いではない」「屈辱だ」と一斉に報じた。米豪同盟は「過去数十年で最も冷え込んだ」と衝撃が広がっている。

 全国紙オーストラリアンは、1970年代のベトナム戦争以来の対立と位置付け「かつて米大統領からこのような口の利き方をされたことはない」と批判、密航者受け入れより「大統領が信頼できるかどうか」がより大きな問題だと報じた。オーストラリア国立大のメドカフ教授はトランプ氏が「同盟を弱体化させ、中国が喜ぶことをしただけで、米国の戦略的利益を阻害した」と同紙にコメントした。

 アボット前政権の外交顧問シアラー氏は地元紙への寄稿で「同盟はギブ・アンド・テークで機能するが、今回の対応は一度限りの商取引のようだ。首脳間の個人的関係は難しくなる」と懸念した。(共同)