Friday, February 03, 2017 10:23 AM

中東政策、早くも混迷 米、突然の方針変更

 トランプ大統領の中東政策が早くも混迷を深めている。イスラム圏からの入国禁止令に中東で反発が拡大、イランがミサイル発射実験を行い、報復として制裁を検討するなど対立が激化。イスラエルに対してはユダヤ人入植活動に否定的な見解を突然表明した。方針が変わりやすく予測不能という印象を改めて与え、先行き不透明感が強まる。

 ホワイトハウスは2日、ユダヤ人入植活動は中東和平実現に「役に立たない」との声明を発表、イスラエルに自制を促した。国際社会が入植活動を非難する中、トランプ氏はイスラエルを擁護してきたが「驚きの方針転換」(ニューヨーク・タイムズ紙)を図った。

 声明を出した理由は不明だが、トランプ氏が大統領就任後、イスラエルが入植活動を加速させたことをアラブ諸国や英独なども非難しており、対テロ連携への悪影響を懸念した可能性がある。イスラエルはオバマ前政権との間で悪化した関係の改善を期待するが、水を差された形だ。(共同)