Monday, February 06, 2017 10:13 AM

米規制緩和、邦銀歓迎 金融危機防止に逆行

 トランプ大統領が前週末、米金融規制の大幅緩和に向けた大統領令に署名した。米国で活動する日本のメガバンク各社からは「基本的には、いい方向」(大手銀行首脳)と歓迎する声が上がり、6日の東京市場は銀行株が大幅高となった。半面、金融危機が起きないよう、リーマン・ショック後強化を進めてきた国際的な資本規制に逆行する動きに、懸念も出た。

 金融大手モルガン・スタンレーに出資するほか、傘下のユニオンバンクを通じて米国で事業を展開する三菱UFJフィナンシャル・グループの首脳は「高リスク取引を原則禁止する現在の規制が緩和されれば、米事業は投資やビジネスの幅が広がり、利益を享受できる」と強調。規制緩和で収益は向上するとの考えを示した。

 三井住友フィナンシャルグループは、グループ中核の三井住友銀行が昨年、米リース会社の買収を発表するなど、米事業を強化している。同行首脳は「米金融規制に対応するためのコストがかかっていた」として、規制緩和で費用の削減につながると期待する。みずほフィナンシャルグループは「状況を注視して対応していく」立場だ。(共同)