Wednesday, February 08, 2017 10:04 AM

経常黒字20兆円超 16年、過去2番目の高水準

 財務省が8日発表した2016年の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支の黒字額は前年比25.8%増の20兆6496億円だった。暦年の黒字額としては、比較可能な1985年以降で、07年に次ぎ2番目の高水準。08年のリーマン・ショック以降では最大。原油安による輸入額の減少で貿易収支が大きく改善したのが主要因で、10日の日米首脳会談を前に日本の経常黒字が拡大していることが鮮明になった。

 16年の地域別の収支はまだまとまっていないが、8日発表の16年7〜9月期の実績は対米黒字が3兆315億円に上り、国・地域別で首位。その多くは貿易で稼いでおり、対日貿易赤字を問題視するトランプ米大統領が首脳会談で、通商問題を主要な論点として圧力をかけるのは必至だ。

 一方、金融資産の取引状況を示す金融収支で、対外直接投資の資産増18兆3866億円のうち米国向けが5兆7268億円と国・地域別で最大だった。(共同)