Friday, February 10, 2017 10:44 AM

米軍の資金、8億円超 07年以降、研究者へ提供

 米軍が日本の大学や公的機関の研究者に研究費の提供を続け、2007年から10年間の総額が少なくとも8億8000万円に上ることが10日、米国防総省の資料の分析で分かった。防衛省の研究助成の是非を巡り日本学術会議は議論を進めているが、米軍からの資金受け入れも論点となりそうだ。

 米軍の資金受け入れは、日本の法律上問題はない。提供は00年以降で少なくとも2億円を超えることが15年末に判明していた。国が国立大学に支給する研究費を含む運営費交付金の総額は10年前から1000億円以上減少しており、資金不足に悩む研究者が依然として米軍資金に頼っている構図が浮かび上がった。

 米政府のデータベースで公表された国防総省の資料によると、資金提供は100件超で、提供額は大阪大2億4300万円、東京工業大9000万円などが多額だった。提供を受けた大学は取材に対し、「一部が確認できない」などと回答した。7500万円の提供があったとされる物質・材料研究機構は「確認できない」とした。(共同)