Tuesday, February 21, 2017 6:34 PM

米欧の不透明感が貿易抑制 0.6ポイント押し下げと世銀

 世界銀行は21日、米国や欧州の政策に不透明感が強まっていることが、2016年の世界貿易の伸び率を0.6ポイント押し下げたとする報告書を発表した。16年の伸び率は前年比1.9〜2.5%で、大不況を招いた08年のリーマン・ショック以降の回復過程で最低だった。

 報告書によると、世界全体の貿易はリーマン・ショック翌年の09年に10.5%減と大きく落ち込んだが、10年は12.4%増に回復した。11〜15年もそれぞれ2.7〜7.0%増えていた。

 米国では貿易自由化に消極的なトランプ政権が発足し、欧州では英国が欧州連合(EU)離脱に向けて動きだしている。

 世銀は、トランプ政権が環太平洋連携協定(TPP)離脱を決めたことや、カナダやメキシコと結ぶ北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉にも乗り出すことを念頭に「世界貿易は一段と減速する恐れがある」とみている。