Wednesday, February 22, 2017 9:58 AM

貿易円滑化協定が発効 WTO、通関手続き迅速化

 世界貿易機関(WTO)は22日、加盟する国や地域で通関業務を迅速化する「貿易円滑化協定」が発効したと発表した。貿易にかかるコストが1割以上減ると期待され、世界で展開する企業の事業を支援するのが狙いだ。保護主義の懸念が高まっているのに対し、事務手続きの面で自由貿易体制を後押しする。

 WTOのアゼベド事務局長は22日、ジュネーブのWTO本部で記者会見し、「WTOは歴史的な節目に達した」と訴え、協定が大改革になると強調した。WTOの試算では、同協定発効で世界の貿易コストは平均14.3%減り、世界経済は2030年までに年0.5%以上の押し上げが期待できるという。

 アゼベド氏はルワンダ、チャドなど中東、アフリカの4カ国から受諾の通知を受け取ったことを明らかにし、計112カ国が受諾して発効要件が満たされたと述べた。協定は、WTO加盟国・地域の3分の2以上に当たる110カ国が受諾すれば発効する。(共同)