Wednesday, February 22, 2017 4:42 PM

政府、一代限定の退位検討 国会は各党合意へ調整

 皇太子さまが「真摯に重く受け止め」た昨年8月の天皇陛下のビデオメッセージで、強い思いがにじんだ退位を巡り政府は一代限定の特別法を検討している。衆参両院議長らは3月中旬をめどに国会としての見解をまとめる方向で、与野党合意を目指し、調整を進める。政府はこれを踏まえて4月下旬以降に法案を提出し、今国会中に成立させる方針だ。

 ビデオメッセージを契機に、政府は有識者会議を設置して公務の負担軽減策を議論している。先月の論点整理では、退位に関し、将来の全ての天皇に適用可能な要件を設ける恒久制度化には多くの課題があるとして、一代限定での対応を有力視し、政府を後押しする見解をにじませた。

 両院議長らは天皇の地位が「国民の総意に基づく」との憲法規定を念頭に、退位の法整備について立法府の総意を探る意見聴取を今月20日に始めた。ただ自民、公明両党などが特別法を支持しているのに対し、民進、共産両党などは恒久化に向けて皇室典範改正を主張。見解が割れており、一致点を見いだすための調整が続く見通しだ。(共同)