Thursday, February 23, 2017 10:09 AM

嘉手納爆音301億円賠償 飛行差し止め認めず

 米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)の周辺住民約2万2000人が米軍機の騒音で健康を害したとして、夜間・早朝の飛行差し止めと損害賠償を国に求めた第3次嘉手納爆音訴訟の判決で、那覇地裁沖縄支部(藤倉徹也裁判長)は23日、約301億9800万円を支払うよう国に命じた。飛行差し止めの請求は棄却した。原告側は控訴する方針。

 自衛隊や米軍基地の騒音を巡る同種訴訟で、賠償額は第4次厚木基地訴訟の約82億円を抜き、過去最高。認容された原告数は2万2005人だった。

 判決は、騒音による健康被害を認めた上で「1970年代ごろには騒音の影響が社会問題となっていたにもかかわらず、米国と日本政府は今日まで抜本的な防止策を取っていない。違法な被害が漫然と放置されている」と厳しく批判した。飛行差し止めは「日本政府は基地における米軍機の運航を規制できる立場にない」と退けた。(共同)