Friday, February 24, 2017 9:58 AM

正男氏、猛毒VXで殺害 マレーシア警察発表

 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏殺害事件で、マレーシア警察のカリド長官は24日、遺体から猛毒の神経剤VXが検出されたとの暫定結果を発表した。長官は記者団に「死因はVXだ」と述べ、毒殺が確実になった。韓国国防省は北朝鮮が化学兵器としてVXを開発・保有していると分析。事件では大使館員らを含む北朝鮮国籍の少なくとも8人の関与が疑われており、北朝鮮の国家犯罪である疑いが濃厚になった。

 マレーシア警察はVXの入手経路の解明に全力を挙げる。逮捕した北朝鮮国籍の男や実行犯の女2人を追及するとともに、在マレーシア北朝鮮大使館に潜伏中と疑われている2等書記官らの聴取を引き続き求める。

 発表によると、マレーシア政府の化学兵器分析センターが検査を実施。目の粘膜や顔から採取した試料からVXが検出された。VXは微量でも殺傷能力が高く、日本のオウム真理教による殺人、殺人未遂事件でも使われた。化学兵器禁止条約(CWC)で製造、使用が禁じられているが、北朝鮮は加盟していない。(共同)