Thursday, March 02, 2017 10:44 AM

コメ、畜産の対日要求も 日米対話、農業自由化で

 4月中旬に始まる日米の「ハイレベル経済対話」は自動車貿易や為替問題と並び、農産物の貿易自由化が焦点の一つとなりそうだ。米農業団体は日米自由貿易協定(FTA)の締結を求めている。日本の政府や農業関係者には、コメや牛・豚肉などの市場開放を巡り、米国が離脱した環太平洋連携協定(TPP)以上の対日要求を突き付けられるとの懸念もある。

 米政府の人事の遅れで4月の初対話は細部の交渉に入らないとみられる中、どこまで要求が表面化するかが注目される。東大大学院の鈴木宣弘教授(農業経済学)は「最も要求が激しいのは、米国産のコメ輸入枠の拡大だろう」と予想する。

 TPPでは日本が米国向けに無関税のコメ輸入枠を新設することなどが決まっていた。米国にとっては対日輸出拡大の好機だったが、TPP発効が暗礁に乗り上げた。2国間交渉となれば、さらなる枠の拡大を求められる展開も予想される。(共同)