Friday, March 03, 2017 10:08 AM

北朝鮮男性を国外退去 マレーシア、証拠不十分

 北朝鮮の金正男氏殺害事件で、マレーシア当局は3日、事件に関与した疑いで逮捕されていた北朝鮮国籍のリ・ジョンチョル氏(46)=クアラルンプール在住=を証拠不十分で釈放し、有効な旅券を所持していなかったとして国外退去処分とした。リ氏はクアラルンプールから北京に向かう航空機に搭乗した。北京経由で北朝鮮に送還されるとみられる。

 事件に関与した疑いがあるとされた北朝鮮国籍の8人中、警察が身柄を確保している人物はいなくなった。マレーシア国営ベルナマ通信は3日、8人のうち1人に逮捕状が出たと伝えたが、逮捕の見通しは立っておらず、リ氏の出国で真相解明は厳しさが増した。

 リ氏は2月17日に逮捕され、3日が勾留期限だった。地元メディアによると、リ氏は関与が疑われる別の北朝鮮人がクアラルンプール国際空港に来た際に使った車の所有者だったため逮捕につながった。宿泊先の手配や現場の案内など後方支援を担当、北朝鮮の情報機関、偵察総局の工作員とも報じられた。(共同)